MATERIAL GUIDE素材解説
01糸の種類によってどんな違いがあるの?
- 同じ綿糸でも
2種類の糸があります。 - Tシャツ類に使われる綿糸には大きく分けて「カード糸」「コーマ糸」の2種類があります。
不純物や短い繊維を取り除く工程の程度によりグレード分けされ、品質や価格に大きく影響します。

- カード糸
- カード工程(不純物を約5%取り除く工程)を行った綿花を使用した、一般的に使用される最も基本的な糸。シャリ感や涼感のあるラフな味わいが楽しめます。

- コーマ糸
- 丹念なコーマ通しで約20%の不良部分を取り除き、良質な部分だけで仕上げた糸。光沢があり、毛羽立ちが少ない、肌触りの良い高品質な製品に仕上がります。
02糸ってどうやってできるの?
- リングスパン糸と
オープンエンド糸の違いは? - 綿糸の元となる綿花の繊維は長さが数センチしかなく、そのままでは糸にすることができません。
綿花を一本の糸にするには、さまざまな工程があり、また、紡績(繊維の方向をそろえ、引っ張りながら撚りをかけること)の方法によって2種類の糸(リングスパン糸・オープンエンド糸)ができあがります。
混打機 ラップ カード工程 梳綿 コーマコーミング 粗紡 精紡
- リングスパン糸
- 一般的な糸はリング紡績機でつくられており「リングスパン糸」と呼びます。しめ縄をつくる原理で紡績され、糸の表面は滑らかで強度のある糸に仕上がります。弊社のほとんどの製品がこのリングスパン糸を使用しています。
- オープンエンド糸
- 空気の流れで撚りを加えて糸にするオープンエンド紡績機で作られます。糸に適度な空気を含み、ガサ感があるのが特徴です。
- 「17s」ってなに?
- 「番手」といって糸の太さを表します。数値が大きくなるほど糸が細く軽くなります。
また、糸番手のあとの「s(シングル)」は1本の糸「単糸」を表します。

- 17s = 17番手 単糸
- 17/2s = 17番手 双糸(撚り)
- 17//2s = 17番手 2本引き揃え
※ポリエステル糸やナイロン糸はデニール(D)で糸の太さを表します。デニールは数値が小さくなるほど細くなります。ご注意ください。
03ニットとテキスタイルについて
- ニット( 編み物 )
- Tシャツの素材はニット(編み物)です。ニットは、ループ(輪)を作りそのループに次のループを引っかけるということを連続していき、面を形成していきます。編み方ひとつで、肌ざわりや通気性、伸縮性が変わります。

- 天竺編み(てんじくあみ)
- 平編み、またはメリヤス編みと呼ばれます。表目にタテ方向の筋が見え、裏目はやや荒い感じに見えるため、表と裏の違いがはっきりと分かるのが特徴。ヨコ方向への伸縮性が大きく、Tシャツなどに使われる編み地です。

- ワッフル編み(わっふるあみ)
- 正式名称はサーマルですが、お菓子のワッフルのように、表面に格子状の凹凸模様があることからこう呼ばれます。伸縮性に富み、保湿性が高く、肌にべとつかない編み地です。

- 鹿の子編み(かのこあみ)
- 鹿の子の背中にある白いまだら模様が、その名の由来。表面に隆起や透かし目を作り、編み目柄を表しています。肌に触れる面積が少なく、通気性に優れています。

- リバーシブルメッシュ(りばーしぶるめっしゅ)
- 表目が通常の天竺編み目で、裏目が変形鹿の子(メッシュ)になっています。吸水速乾素材としてドライTシャツに多く使われています。

- フライス編み(ふらいすあみ)
- リブ編み、ゴム編みとも呼ばれ、表・裏目ともに同じ編み目で生地の裏表がありません。伸縮性が高く、ヨコ方向に良く伸びるのでフィット感が抜群です。

- スムース編み(すむーすあみ)
- 2つのゴム編みを裏合わせし、両面とも表地にした編み組織。ほどよい肉厚感と優れた伸縮性で、形崩れしにくいのが特徴です。

- スウェット裏パイル・裏毛(すうぇっとうらぱいる・うらけ)
- 表は天竺編み目で、裏糸をパイル状に編み込んで浮かせた生地。スウェットはスポーツ用の汗を吸収する衣類の総称で、トレーナーやパーカが代表的アイテムです。

- スウェット裏起毛(すうぇっとうらきもう)
- 裏パイルの編み地をひっかき、毛羽立たせた生地。保温性が高く、起毛したことで表面がきれいに仕上がり、プリント加工がしやすくなります。
- テキスタイル(織物)
- ジャケットやボタンダウンシャツ、トラウザーズ、バッグに使われる生地は、テキスタイル(織物)です。布帛(ふはく)とも呼ばれ、 基本的にはタテ糸とヨコ糸を直線に配列し、上下に交差させて平面にした生地です。織物の三原組織は、平織(ひらおり/タフタ)、綾織(あやおり/ツイル)、繻子織(しゅすおり/サテン)があります。

- 平織(ひらおり)
- タテ糸とヨコ糸が1本ずつ交互に交差した一番単純な組織で、最も多く使われています。裏表なく丈夫な素材で、タフタ・ポンジー・ポプリンなどの種類があります。

- T/Cウェザー(てぃーしーうぇざー)
- ウェザークロスと呼ばれ、悪天候でも使える丈夫で防水性のある上質な平織物です。組織密度が非常に高く、生地に張りとコシがあります。

- 綾織(ツイル)(あやおり(ついる))
- 糸の交錯する点が斜めに走るのが特徴で、左綾と右綾があります。伸縮性に優れ、シワがよりにくいのが利点です。サージ・ギャバジン・デニムなどが代表的。

- デニム(でにむ)
- タテ糸に色糸、ヨコ糸に未晒し糸を使ってタテ糸3本にヨコ糸1本の割合で織られた綾織の厚地織布。デニム生地は洗濯や摩擦を繰り返すと色落ちし、使い込むほどに柔らかく馴染んでいきます。今では合成インディゴで染色したデニム生地が一般的。

- キャンバス(きゃんばす)
- 帆布とも呼ばれる丈夫で厚手の粗布で、もともとは船の帆として使われていました。現在はトートバッグやテントなどに多く使われています。

- オックスフォード(おっくすふぉーど)
- タテ糸とヨコ糸を2本ずつ引き揃えて平織りした生地。光沢があり、織目がはっきりとしています。通気性が良い夏向きの生地です。

- リップストップ(りっぷすとっぷ)
- パラシュートやパラグライダーに使用されている「格子状」の模様がある織物です。太い糸で格子状に織り込んでおり、万が一生地が裂けてもそれ以上の裂けを防ぐ構造となっている平織の生地です。ripは裂けるという意味、rip-stopとは裂け止めの意味。

- シーチング(しーちんぐ)
- 普通の平織やブロードに比べて厚みがあります。表面も光を反射せず、落ち着いた印象。また、アイロンがかけやすく、アイロンじわがほとんどできないのが特徴です。

- サテン(さてん)
- サテン生地は、朱子織や繻子織とも呼ばれタテ糸が多く表に出ていて、美しい光沢があり、豪華な雰囲気を持つ生地です。

- サージ(さーじ)
- サージ素材は、毛羽立たないようにしてクリア加工をプラスした織物のことを指します。滑らかな手触りであり、学生が着る制服やスーツなどを作る素材としてもよく用いられます。

- タスラン加工生地(たすらんかこうきじ)
- 紡糸の段階で空気を送り込み製造した加工糸を使用した生地。空気を送り込むことで糸が膨らみ、天然繊維のようなナチュラルな表情が特徴です。
04ベビー向け製品のホルムアルデヒド対策
ベビー向け製品(90cm以下製品)
5001-02 5.6オンス ハイクオリティー Tシャツ(キッズ)90cm
5157-02 10.0オンス スウェット スタイ(裏パイル)
5158-02 5.6オンス ベビー カバーオール
※上記品番におきましては、ベビー用衣料として、以下の管理・対策を行っています。
- ①製品について
- 国で定める「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」に基づき、使用する生地及び付属品のホルムアルデヒド検査(厚生省令第34号 乳幼児A-A0=0.05以下)を実施し基準値以下の検査結果を得ております。
(実施検査機関:一般財団法人カケンテストセンター)
- ②環境について
- 製造工場、および国内物流倉庫において、ホルムアルデヒド環境測定を行い、ホルマリン空気移染についての予防対策を行っています。
※左記①の検査結果に関しましては、開示できますので必要な場合には弊社担当営業にお問い合わせください。 - 製品移送中のホルマリン移染
弊社倉庫よりお客様のお手元に届くまでの間の商品輸送や保管状況までの管理は行っておりません。
ホルムアルデヒドについての注意点
- ①加工の際の注意点
- 使用する加工用資材にホルムアルデヒドが含まれていると製品自体に必ず移染します。
加工の際に使用される資材の中にホルムアルデヒドを含有する可能性のあるものがあります。
そういった資材を使用されると、製品自体にもホルムアルデヒドが移染します。 - ※プリントのインクバインダーや抜染に使用する抜染剤、ワッペンの接着剤などに含有される物があります。
(詳細につきましては、お取り扱いの資材メーカー各社様へご確認ください。ノンホルマリンのバインダーなどがあります。)
- (対策)
-
- ・製品を加工後(プリント等をした状態・完成品)での、ホルムアルデヒド試験を実施する。
→加工用の製品の場合、弊社の製品の試験結果だけでは、証明書とはなり得ません。 - ・加工後に製品洗いを行う。
→ホルムアルデヒドは水溶性です。加工後に製品を水洗いすることで、軽減・除去できます。 - ・ノンホルマリンの資材を使用する。
→インクメーカー・資材メーカー各社様におきましては、ホルマリンを含まないノンホルマリンタイプの各種資材を販売されております。
- ・製品を加工後(プリント等をした状態・完成品)での、ホルムアルデヒド試験を実施する。
- ②作業・保管の際の注意点
- 作業・保管環境の空気中にホルムアルデヒドがあると製品に空気移染する可能性があります。
家屋に使用される合板やフローリング・壁紙などに使用する接着剤や断熱材・塗料などはホルムアルデヒドを含有している物があります。
その場合、空気中にはホルムアルデヒドが存在します。
倉庫・保管場で移染する可能性もありますのでご注意ください。 - 品質評価団体(ボーケン・カケン・Q-TECなど)におきましては、空気中に存在するホルムアルデヒド量を調査する試験があります。
あらかじめ試験を受けられることをお勧めいたします。
- (対策)
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- ・保管する商品は、1枚ずつ密封保管する。
- ・作業場・倉庫は換気を良くし、ホルムアルデヒドが滞留しないようにする。
- ・製品が直接触れる作業台などは、水拭きを定期的に行う。
ご不明な点やご質問等ございましたら、弊社担当営業または以下までお問い合わせください。
キャブ株式会社
品質・生産管理部 品質・生産管理グループ
Mail:info@cabclothing.co.jp