シンガーソングライター、トラックメイカー、Tempalayのメンバー、モデルなど、さまざまな顔を持ち幅広く活躍するAAAMYYY。今年、母となった彼女は今何を考え、どう生きているのか。コラボレーションアイテムのこだわりとともに現在の心境や展望を聞いた。

─今回のコラボアイテムは、昨年リリースしたEP『ECHO CHAMBER』をモチーフにしていると伺いました。
AAAMYYY(以下A)　『ECHO CHAMBER』はさまざまなアーティストと一緒につくりあげた作品なんです。だから、今回のコラボレーションというテーマに親和性があるなと思って。あと、この作品を音以外で再表現していなかったので、ちょうどいい機会だったというのも理由かな。わたしの音楽を遊び心のあるデザインとして落とし込んでくれるMargtのグラフィック、Tempalayのグッズ制作でもお世話になっているOKUのプリント、つくりのいいUnited Athleのボディと、頼もしいメンツ揃いで素敵なコラボレーションアイテムができたと思っています。

─今回のアートワークはMargtさんとのことですが、今までの作品のビジュアル全般を手掛けているのも彼らなんですね。
A　Margtは彼らがチームを結成する前からの付き合いなんですよ。直感的に格好いいなと感じるものが共通していたり、優しくて面白くて捻くれた人間性を持ち合わせていたりといったところはもちろん、作品の中に自然と入ってくる彼ららしいエグみがとても好きで。彼らには、これまでの作品をアパレル等のグッズとして再表現してもらっているんですが、今回のコラボレーションアイテムもそのシリーズを受け継ぐ感じでデザインしてもらいました。Margtのアラタいわく、『ECHO CHAMBER』のデザインは踏襲しつつも、わたしに赤ちゃんが生まれたから子どもっぽい手書きの要素も入れてくれたみたいです。

─まさに現在の心境を反映したデザインなんですね。今回のコラボレーションアイテムをご自身で着るとしたらどう着たいですか？
A　United Athleのボディはスタンダードなデザインなので、さらっとスラックスに合わせたり、キラキラのワンピースに重ねたり、はたまたレザーパンツと合わせて強めに着こなしたり、色々楽しみたいです。わたし自身のこだわりとしては、コンプレックスをアドバンテージに変えてくれるようなスタイルが好き。自分の好きな身体のパーツを魅力的に見せるカットがされているとか、色々な着方ができるとか、そういうアイテムに惹かれることが多いですね。

─AAAMYYYさんはアーティストグッズでアパレルも多く手掛けていますよね。どんなところにこだわってつくっていますか？
A　自分が着たいものをつくることと、ベーシックなアイテムでも愛着が湧く要素を入れること。洗濯したらプリントがいい感じに剥げて古着っぽい質感になるとか着心地がよくなるとか、そういうところを大事にしています。あとは異素材や目を引くテクスチャも好きですね。

─今回のジョイントワークもそうですが、AAAMYYYさんが創作する際にこだわっていることやルールなどはありますか？
A　ひとりで完成させないことかな。昔は、音楽制作以外にもデザインに挑戦したりして全部自分ひとりでマルチにやろうというスタンスだったんですが、色々経て今では餅は餅屋だなって思っています。ひとりだけで完成させることの美学は理解しつつ、誰かの協力があると自分の感覚から一歩外に開けたものが生まれるし、何よりそれが楽しいと思えるようになったんです。今回のコラボレーションアイテムもたくさんの人が関わったからこそできたものですからね。それと、全員がWINWINでハッピーでいるために日々考えることをやめない、というのも大事にしていること。失敗しても大丈夫だし、敵しかいないわけじゃないから何でも楽しくやろう！と自分を励ましている感じです(笑)。最近は子どもが生まれて見えるようになった景色もあるので、これからはその世界観もうまく落とし込んで、唯一無二な自分の在り方を表現していきたいですね。

─最後に、AAAMYYYさんのオリジナリティ、唯一無二な在り方というのはどんなところにあるか教えてください。
A　飾らないところですかね。もともとわたしは一般的に優れた人になるのを目標に生きてきたんですが、その過程で違和感を覚えて原因を追求していくうちにいろいろ気づいて絶望。その結果、等身大でいることがいちばん楽しいと思うに至ったんです。で、その中で思ったり感じたりしたことを脚色せずに表現できるのがたまたま音楽だった、という感じ。基本的に失敗や負の感情から派生して出てくるものがリリックになることが多いのと、社会や人に関連することを気にしてしまう気質なので、実際そのあたりがわたしの特徴でオリジナリティなのかな。